論理学とは、正しい思考過程を経て真の認識に達するために、思考の法則・形式を明らかにする学問です。
論理学は、思考能力を鍛えられる学問でもあるため、近年ではビジネスパーソンにも注目されています。
しかし論理学に興味を持ったとして、多くの入門書や解説本が出版されているためどの本から手を付ければいいか分かりません。そこで今回は、論理学を始めて学ぶ人や基礎を確かめなおしたい人におすすめの論理学本をご紹介します!
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論理学のおすすめ本/入門書1|入門!論理学
現代の論理学は、「記号論理学」ともいわれ、記号や式がたくさん使われます。しかし、本書は、記号論理学の入門本ですがなんと記号がほとんどでてきません。
記号を使わずに記号論理学を紹介することで、論理学の根本的なところの本質をつかみとり、提示するように書かれた、今までにはなかった論理学の本です。「入門!」の名にふさわしい1冊です。
論理学のおすすめ本/入門書2|論理学 はじめの一歩
2021年3月に出たばかりの新しい論理学入門書。直観的・視覚的な理解を助けるオイラー図とベン図を活用しながら、古代ギリシア以来の伝統的論理学の基礎を学べます。
確認問題付きで学習と定着を目指した本書は、全13回の構成になっているので論理学を1人で学ぶ人に最適です。
論理学のおすすめ本/入門書3|論理学超入門
とっつきにくい印象のある「論理学」の基本を概観しながら、背景にある哲学的な問題をわかりやすく説明している本書。問題や解答もあるので勉強しやすい構成。好評だった「〈1冊でわかる〉論理学」にチューリング、ゲーデルに関する二章を加えた改訂第二版です。
論理学のおすすめ本/入門書4|論理学 考える技術の初歩
本書では、「分析こそが私たちが生まれついての本性から学んだ方法である」ということを見ていきます。この見方を用いることで、観念と心の諸機能についてそれらの起源と発生を説明しおり、論理的に考える方法とそれ自体がどのように変わってきたかがわかります。
また、分析の手段と効果についても考察しており、推論の技術はどのようなものに還元されるかを示しています。論理学を知識として学ぶのではなく、歴史の中で論理学それ自体を理解したい人におすすめです。ここで紹介している他の本と一緒に読むことで、効果があがりそうです。
論理学のおすすめ本/入門書5|論理学をつくる
論文の書き方についての本で知られる戸田山先生の本。
出来あいの論理学を天下り式に解説するのでなく、論理学の目的をはっきりさせた上で、それを作り上げていくプロセスを読者と共有することによって、考え方の「なぜ」が納得できるようにしたテキスト。初歩の論理学が一人でマスターできる1冊です。
論理学のおすすめ本/入門書6|総合的研究 論理学で学ぶ数学
数学は、数学的な記号をつなぐ論理によって成り立つという意味で、数学において論理的に正しいことは最も重要だとされてきました。本書の目的は、数理論理学の記号と方法を、数学自身の理解の深化を目指して実践的に論じることです。
本書で扱う題材は、多くの方が習ったことのある高校数学、あるいは大学入試の問題です。これらを数理論理学の道具を使って理解しなおすことで、すでに知っていると思っていた世界が違って見えてくるという経験ができます。「数学×論理学」このキーワードに魅かれた人は、ぜひチェックしてみてください。
論理学のおすすめ本/入門書7|論理トレーニング101題
本書の目次は、①議論を読む(接続表現に注意する;議論の骨格をつかまえる)、②論証する(論証とはどのようなものか;演繹の正しさ・推測の適切さ;論証を批判的にとらえる)の2つによって構成されています。
解説書なんかいくら読んだって論理の力は鍛えられないただ実技あるのみ!ということで、ただひたすらに問題を解いていく本書。「接続表現に注意する」、「議論の骨格をつかまえる」、「論証とはどのようなものか」、「演繹の正しさ・推測の適切さ」、「論証を批判的にとらえる」各項目ごと解いていくことで、自身の弱い部分がみえてくるでしょう。
論理学のおすすめ本/入門書8|論理学
命題論理から始まりから述語論理を経て、ラッセルのパラドックスやメタ論理、ゲーデルの不完全性定理までを解説した1冊。体系的というわけではありませんが、論理学の方法のエッセンスを積み上げながら学んでいけます。
論理学のおすすめ本/入門書9|はじめての論理学 ー 伝わるロジカル・ライティング入門
接続表現・文章構造からさまざまな論法まで、豊富な事例で論理学の基礎をやさしく解説した1冊。水掛け論にならない反論の仕方など、ビジネスパーソンも役立つ建設的な議論に欠かせないポイントが学べます。
「言いたいことを正しく伝える」技術が身につくため、レポート・論文作成を控えた大学生にもおすすめ。論理的に考えをまとめ、筋道だった文章を書くのが苦手という人に最適の、痒いところに手の届く入門書です。
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論理学のおすすめ本/入門書10|「論理的思考」の社会的構築: フランスの思考表現スタイルと言葉の教育
こちらも2021年7月に出たばかりの新刊。ここまで紹介してきた本は論理学の入門書でしたが、本書は専門書で毛色も少し異なります。筆者が研究の対象とするのは、フランスです。
国内外で活躍するための必須スキルとされる「論理的思考」ですが、実は「何を論理的・説得的と感じるか」は普遍的なものでなく、ある国(文化)で論理的とされるものが、ほかでは非論理的だと受け取られることもあります。本書では、日本やアメリカとも異なるフランスの「論理的思考」と、それが社会的に構築される様相と背景を読み解いています。
最後に-隣接分野もあわせて学ぶことで論理学の学びをさらに深堀り-
本記事では、論理学を学びたい人におすすめの本を紹介してきました。学問分野は、独立して存在するのではなく、常に隣接分野と影響しあいながら発展するものです。
以下の記事では、論理学と相互に影響を与え合っている社会学や言語学、人類学などの入門書やおすすめ本を紹介しています。興味関心ある方は、ぜひあわせて読んでみてください!
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