民俗学を学ぶのにおすすめの本・入門書13選

民俗学 おすすめ本 入門書
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民俗学とは、民間伝承を集め調べることによって、庶民層における伝統的生活様式・社会形態を明らかにしようとする学問です。

そんな民俗学は、多くの大学に学部として設置されていたり、各地域の資料館などで講座が開催されていたりと一般の人も親しみやすい学問です。

しかし、いざ民俗学を学ぼうと思うと悩ましいので「どの本から読めばいいのか?」です。そこで本記事では、民俗学系の学会に所属し、民俗学系の論考が掲載された経験のある筆者が、初心者におすすめの民族学おすすめ本・入門書をご紹介します!

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民俗学おすすめ本・入門書1|はじめて学ぶ民俗学

「民俗学って何だろう?」という人ののために、これから民俗学を学び始める大学生を主人公に、物語形式でテーマごとに民俗学の基本や考え方を丁寧に解説した1冊。

「あたりまえ」と思っている日々の生活を、民俗という新たな視点でとらえ直すきっかけがあ多数載っており、民俗学を身近なものとしてとらえ、おもしろさを感じながら学べる入門書です。

民俗学おすすめ本・入門書2|日本民俗学の開拓者たち

日本の民俗学は柳田国男によって開拓され、確立したと言われています。では、それ以降はどのような民俗学者たちが日本民俗学を築いてきたのでしょうか?本書では、柳田国男以降、日本民族をつくってきた主要な研究者たちが紹介されています。

1 野の学問、民俗学
2 菅江真澄
3 鳥居龍蔵
4 山中共古
5 柳田国男
6 折口信夫
7 宮本常一
8 瀬川清子
9 アカデミック民俗学への道と研究者群像

民俗学おすすめ本・入門書3|知って役立つ民俗学 現代社会への40の扉

「縁側って何?」「なぜお守りをもつの?」「お墓にはどんな意味があるの?」といった日常の素朴な疑問から、家族関係、介護、差別、自然破壊など現代の社会問題まで扱うのが民俗学です。

本書は、より身近でより親しみのある文化や題材をテーマに、日々の生活や現代の問題を、民俗学の視点から考えられるようになる一冊です。多様な分野の身近な疑問から出発して、生活や社会につながる民俗学の世界へと誘う初学者必携の本といえるでしょう。

民俗学おすすめ本・入門書4|こんなに面白い民俗学

本書は、民俗学が扱いうるありとあらゆる主題を集め、イラストとともに、わかりやすく、おもしろく解説しています。民俗学の本はイラストで図解したものは少ないので、イラスト付きで読みたい・文章を読むのが苦手という方におすすめです。

民俗学おすすめ本・入門書5|日本民俗学概論

日本の民俗学を牽引してきた福田アジオ、宮田登編纂の民俗学入門書。授業用参考書としても活用できる内容で、学部1年生2年生におすすめ。大学院進学者で改めて民俗学を体系的に学びなおしたい人にもおすすめです。

民俗学おすすめ本・入門書6|民俗学

戦後の民俗学を発展させた泰斗 宮田登による民俗学テキスト。文庫版も発刊されており、こちらは2019年と最近出たばかり。人々の日常への探究は、いかに始まり、どう展開していくのか、これを読めば民俗学の全体像がわかる1冊です。

民俗学おすすめ本・入門書7|口語訳 遠野物語

『遠野物語』は、日本民俗学の祖 柳田国男が明治43年(1910年)に発表した、岩手県遠野地方に伝わる逸話、伝承などをまとめた説話集です。短編が数多くおさめられているので、サクサク楽しく読める1冊です。

本書は、『後狩詞記』(1909年)、『石神問答』(1910年)とならぶ柳田国男の初期三部作の一作であり、日本の民俗学の先駆けとも称される作品です。

柳田国男は、『遠野物語』など数多くの民俗学書を残した民俗学者・官僚です。民俗学だけを研究していたわけではなく、官僚としても国の中枢で働いていました。本書は、そんな柳田国男を多面的に理解できる柳田国男読本です。

「日本人とは何か」という問いを人生をかけて追及した柳田国男は、日本列島各地や当時の日本領の外地を調査旅行しました。日本民俗学の開拓者であり、多数の著作は今日まで重版し続けています。

民俗学おすすめ本・入門書8|日本の民俗学

柳田国男にとって民俗学とは何だったのか?表題作「日本の民族学」のほか、「国史と民俗学」「実験の史学」など学問実践の体系化を目指した論考によって「方法としての民俗学」を浮き彫りにする文庫オリジナルの論集です。

折口信夫との対談や、生涯と学問について語った「村の信仰」なども併せて収められており、柳田学・柳田民俗学の入門書です。

民俗学おすすめ本・入門書9|忘れられた日本人

日本の民俗学を代表する名著『忘れられた日本人』

柳田国男らの指導のもと、生涯旅する人として日本各地の民間伝承を克明に調査したのが宮本常一です。今では文章で歴史や伝統を残すのが当たり前ですが、世の中には文字では残されていない歴史、つまり忘れ去られた日本人の暮らしがあります。

忘れられた日本人の暮らしを掘り起こし、「民話」を生み出し伝承するさまざまな共同体の様子を描いた本書は、「土佐源氏」「女の世間」など十三篇から構成されており宮本民俗学の代表作といわれています。

忘れられた日本人は、さまざまな角度から深掘りできる本でです。しかし、その時代背景や歴史文化、宮本常一という人のことを知らなければせっかくの深掘りができない部分も多々あります。

『宮本常一「忘れられた日本人」を読む』は、歴史学者の網野善彦による本書の読解本です。原作とあわせて読むことで理解が進むので、両方一緒に買って読むのがおすすめです。

民俗学おすすめ本・入門書10|民俗学の旅

宮本常一は、自らを「大島の百姓」と称し、生涯にわたり全国をくまなく歩きつづけました。その歩みは、同時に日本民俗学が学問として体系化されていくための確かな歩みでもありました。

宮本常一の研究背景にある幼少年時代の生活体験や美しい故郷の風光と祖先の人たちのこと、そして柳田国男や渋沢敬三など優れた師友の回想をまじえながら、旅の中で自身が体験してきたことを克明に記したのが本書です。

宮本常一に関する研究は現在進行形で進んでおり、『民俗学の旅』が出版されてから約30年経った今年、宮本常一と民俗学のつながりを考察した新たな本が出版されました。宮本常一のことをもっと知りたい人におすすめの1冊です。

最後に-他分野でも読みたい入門書・おすすめ本がたくさん!-

民俗学 おすすめ本 入門書

本記事では、民俗学を学びたい人におすすめの本を紹介してきました。学問分野は、独立して存在するのではなく、常に隣接分野と影響しあいながら発展するものです。

以下の記事では、民俗学と相互に影響を与え合っている社会学などの分野の入門書やおすすめ本を紹介しています。興味関心ある方は、ぜひあわせて読んでみてください!

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