【2024年版】高校生のうちに読みたいおすすめの本10選-若手研究者推薦-

高校生 おすすめ 本
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高校生になったのを機に「もっと本を読んだ方がいいんじゃないか」と思っている人は多いかもしれません。国語の小論文や大学受験を見すえて読書を頑張ろうと思っている人も多いはず。

そんな時に悩むのが「どの本を読めばいいのか」ということ。好きなジャンルの本以外にも興味はあるけど、何から手を付けていいか悩ましいですよね。

この記事では国立大学大学院にで社会学を専門に研究を行う筆者が、これまでに読んで中から「高校生のうちに読みたかった!」と感じた本をご紹介します。

紹介する本は小説からちょっぴり学術的な本までさまざま。順番もあえてカテゴライズすることなくバラバラに紹介していきます。ぜひ偶然の出会いを楽しみに、気になる本があれば買ったり図書館で探したりして読んでみてください。

高校生のうちに読みたい本1|漫画 君たちはどう生きるか

1冊目に紹介するのは吉野源三郎原作、2018年に最も売れた本『君たちはどう生きるか』です。

1937年に出版されて以来、多くの人達に読まれてきた吉野源三郎の名著が問いかけるのは「人間としてどう生きればいいのか?」。この大きな問いに対して、マンガを読みながら考えることを促す本書は子ども~お年寄りまで多くの人達に共感をもって迎えられました。

「哲学的な本って読みにくそう」そう思っている方でも、この本であればマンガで楽しみながら人生を見つめなおす思考のキッカケを得ることができます。

主人公のコペル君と叔父さん、2人の姿勢に示された、数多くの生き方の指針となる言葉を高校生のうちに噛みしめておくことには、とても意味があるでしょう。本書を読んでさらに挑戦したい方は、ぜひ文庫版『君たちはどう生きるか』を読んでみてください。

高校生のうちに読みたい本2|桐島、部活やめるってよ

2冊目に紹介するのは今や日本を代表する若手小説家となった朝井リョウの処女作『桐島、部活やめるってよ』です。神木隆之介主演で映画化されたものを見たことがある人も多いかもしれません。

男子バレーボール部のキャプテンだった桐島が部活をやめることをきっかけに、同級生5人の日常に些細な変化が起こっていく様子を描いた本書。高校生活を舞台に各登場人物がそれぞれかかえる悩みや心理的な変化は、物語の世界ながらどこか高校生の自分と重なる部分も感じられます。

物語の内容を説明してしまうとつまらないのでここでは言及しませんが、著者が早稲田大学文化構想学部在学中の2009年に、第22回小説すばる新人賞を受賞したデビュー作で初の平成生まれの受賞者となったということから本書がいかに優れた本かわかると思います。

「小説が読みたいけど何がいいかな」と悩んでいる方は、ぜひこの本を読んでみてください。

高校生のうちに読みたい本3|14歳からの社会学 ―これからの社会を生きる君に

3冊目に紹介するのは東京都市大学教授 宮台真司氏の著書『14歳からの社会学』です。

本書のテーマは「これからの社会をどう生きればいいのか」。この不安は、多くの子どもたち(大人たち)、そして高校生が抱えています。

残念ながら、今、学校で教えられていることは、この疑問に十分にこたえているといえません。そこで「社会を分析する専門家」である社会学者 宮台真司氏が、今生きている社会の「本当のこと」を伝え、その上でいかに生きるべきか、という問題に正面から向き合った1冊。

どうしてこの社会に「ルール」があるのか、「恋愛」と「性」について、将来就く「仕事」と「生活」について、「生」と「死」について――など、身近な話題を入り口に、わかりやすい語り口で、深いテーマを語っています。

14歳からと書いてありますが、高校生が読んでもとても腑に落ちる&感情揺さぶられる部分がたくさんあります。年齢を重ねる中で刺さる部分も変わる本なので、買って線を引いたり感想を書きながら読んでみてほしい1冊です。

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高校生のうちに読みたい本4|人生論ノート

4冊目は日本を代表する哲学者 三木清の論考集『人生論ノート』です。死について、幸福について、懐疑について、偽善について、個性について、など23題の短編が収録されています。それぞれの短編はとても短いので、分厚い本が苦手な人におすすめ。

ドイツの大哲学者ハイデッガーに師事し、哲学者、社会評論家、文学者として昭和初期における華々しい存在であった三木清による、珠玉の名論文集。

豊かな人生を送る術について書かれた本書は、刊行以来80年を経た今も読み継がれています。文体の読みやすさは、ここで紹介している本の中で一番かもしれません。しかしその内容はとても深く、物事を考えるとはどういうことか、人生とはどういうことかを一文一文考えさせられます。

スキマ時間にちょっとずつ味わいながら読んでみてはいかがでしょうか。

高校生のうちに読みたい本5|思考の整理学

刊行から35年、驚異の125刷、258万部突破の大ベストセラー本『思考の整理学』。東京大学、京都大学で最も読まれた本としても知られています。

「先生と教科書に引っ張ってもらうグライダー型ではなく、エンジンを積んで自分の頭で考え、自力で飛びまわれる飛行機型の人間こそ、これからの時代には必要なんじゃないかな。」

そう語ったのは著者の外山滋比古氏です。これからの時代に必要とされているのは、「自ら考えられる人間」です。いま以上に思考力を伸ばしたい・身につけたい人におすすめです。

高校生のうちに読みたい本6|学問のすすめ

「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず―。」

6冊目に紹介するのは言わずと知れた名著福沢諭吉の『学問のすすめ』です。

先ほどの一節は多くの人が一度は聞いたことのある名文ですが、それに続く言葉を知っているでしょうか?

近代日本最大の啓蒙思想家・福沢諭吉がその言葉に託したのは、人間の平等ではなく、知性と行動力を兼ね備えた近代的な「個人の自立」でした。

その考え方は、社会と個人の関係を考えるためのひとつのモデルとして、今の時代にこそ見直されるべきものです。明治初期という大きな時代の転換期に書かれた、“危機の時代の心得”を学ぶことで、同じく変動激しい現代を正確に捉え考え行動できるようになるでしょう。

高校生のうちに読みたい本7|フェルマーの最終定理

7冊目に紹介するのは世紀の難問フェルマーの最終定理を題材とした『フェルマーの最終定理』です。

17世紀、ひとりの数学者が謎に満ちた言葉を残しました。「私はこの命題の真に驚くべき証明をもっているが、余白が狭すぎるのでここに記すことはできない」。

この言葉以後、あまりにも有名になった数学界最大の超難問 「フェルマーの最終定理」 への挑戦が始まりました。何百人何千人という数学者が挑戦しては人生を狂わされた超難問の歴史を、天才数学者ワイルズの完全証明に至る波乱のドラマを軸に、3世紀に及ぶ数学者たちの苦闘を描がいた感動の数学ノンフィクションです。

これを読めば明日から数学の授業の見方が変わるかもしれません。数学者がかっこいいと感じるようになるかもしれません。そしてあなたも数学の魔力に取りつかれてしまうかもしれませんよ。

高校生のうちに読みたい本8|夜のピクニック

8冊目に紹介するのは現代日本を代表する小説家 恩田陸氏の代表作『夜のピクニック』です。

主人公の甲田貴子が通う北高には、全校生徒が夜を徹して80km歩く伝統行事「歩行祭」があります。ある想いを抱いて歩行祭にのぞむ貴子と、その親友たちの一夜を描くこの小説。高校時代に同じような行事、強歩大会があった人も多いのではないでしょうか。

80kmという長い距離をひたすら歩くなかで想いをめぐらせたり、学生生活の思い出や将来の夢を語りあったりする登場人物たち。

めんどくさいなと思う学校行事の一つ一つが、この本を読んだ後には大切に楽しもうと思えるかけがえのない体験に変わるかもしれません。

高校生のうちに読みたい本9|ロボットは東大に入れるか

9冊目に紹介するのは科学系の本『ロボットは東大にはいれるか』です。

科学技術が日々進歩している現代で、コンピューターやロボットなどの人工知能の発展は目覚ましいものがあります。いずれ人工知能は人間の能力を超えてしまうのか、そんな問いに本気で立ち向かう研究者たちの姿が描かれています。

高校の授業で勉強する物理や化学、生物学、数学、国語など、これらの科目は一見するとつまらなく意味がないものに感じます。

しかしそれらは全てロボット研究と結びついており、根源的には「何かを考えるとはどういうことか?」「人間とは何か?」という問いに結びつきます。本書を読むことで日々の勉強の意味付けが変わるかもしれません。

高校生のうちに読みたい本10|断片的なものの社会学

最後に紹介するのは社会学者 岸政彦氏の著書『断片的なものの社会学』です。

社会学の中でも質的調査と呼ばれる、いろんな人にインタビューをしたり町で話したりしたことを元に研究をする手法を得意とする岸氏。

本書は岸氏が行ってきた研究の中で出会った印象的な人や印象的な体験を小説のような短編にまとめた本です。一見すると学術書とは思えませんが、実は本書は立派な学術書。「研究にはこんな方法があるんだ」「研究成果をこんな形で社会に出せるんだ」と、研究と学術への視野が広がる1冊です。

最後に-大学受験を見すえていろいろな分野の入門書も読んでみよう!-

高校生 おすすめ 本

本記事では高校生のうちに読んでおきたいおすすめの本を紹介してきました。本サイトではさまざまな学術分野の入門書をまとめた記事を公開しています。

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