言語学を学ぶのにおすすめの本・入門書14選

言語学 おすすめ 本 入門書
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言語学とは、言語に関すること、特にその構造を研究する学問です。「そもそも言語とは何か」「言語はどうやってできているのか」「どうして言語で意思疎通ができるのか」といった疑問について取り組んでいく学問で、その対象とする範囲はとても広いのが特徴です。

言語学に興味を持ったとして、多くの入門書や解説本が出版されているためどの本から手を付ければいいか分かりません。そこで今回は、言語学を始めて学ぶ人や基礎を確かめなおしたい人におすすめの言語学本をご紹介します!

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言語学のおすすめ本/入門書1|フシギなくらい見えてくる! 本当にわかる言語学

「言語学初心者に本当におすすめの本はなんですか?」と聞かれたら、私はまずこの本をおすすめします。タイトルの通り、本当にわかりやすく言語学について解説されている本書を読むと、さすが言語学者による解説だと思うかもしれません。

「言語学者の日常」「人類最初の言語とは」「英語の早期教育は有効か」「新しい単語の作り方」「青蛙は青いか」「会話のルール」「顔文字は文字?」「言葉狩り」「言語と国家」など、興味深いトピックが列挙されているので気負わず読んでみてください。

言語学のおすすめ本/入門書2|言語学が好きになる本

普段何気なく使っている言葉の事例から、言語学とは何かをわかりやすく解説した1冊。言語学の知識を解説するというよりは、難しい概念などはあまり登場せずに、言語学自体を掘り下げた内容となっています。「ちょっと言語学に興味が湧いてきた」なんて人に、おすすめです。

言語学のおすすめ本/入門書3|言語学の教室 哲学者と学ぶ認知言語学

タイトルは「言語学の教室」ですが、言語学を包括して解説するわけではなく、言語学の一分野である「認知言語学」に焦点を絞った本

哲学者の野矢茂樹が生徒として、言語学者の西村秀樹に認知言語学の教えを乞うという内容。登場人物がとても豪華ですね。

新書なのでボリュームも多すぎず、会話形式で進んでいくのでとてもわかりやすい!認知言語学の入門書を探している方は必読です。

言語学のおすすめ本/入門書4|はじめての言語学

新書で読める言語学入門書の中では、特に読みやすい1冊。ありがちな言葉に関する思い込みを正し、外国語学習者はもちろん「ことば」に興味ある人に送られた本書は、言語学的知見から常識をひっくり返す1冊です。

言語学のおすすめ本/入門書5|ヒトの言葉 機械の言葉「人工知能と話す」以前の言語学

言語学とAIの交点をわかりやすく解説している1冊。AIに言葉は理解できるのか、AIが人間と同じように話せる日は来るのか、これらの疑問に答えるヒントが詰まっています。

以前の言語学と書かれているように、AI自体を深掘りするというよりは、AIが言葉を理解する仕組みやその背景にある考え方、言語とはそもそも何かといった問いの答えを知りたい人におすすめです。

言語学のおすすめ本/入門書6|よくわかる言語学

わかりやすいことで定評がある、ミネルヴァ書房の「よくわかる」シリーズ。見開き2ページで1テーマが扱われています。第一線の執筆陣が言語学・言語研究のおもしろさとことばの不思議さを伝えているのもポイント。

音声、形態、文法、意味、方言や社会言語学、心理言語学、歴史言語学、実験言語学や言語類型論、オノマトペ、手話など主領域が幅広くカバーされています。サイズが大きく読みやすいのもいいところですね。

言語学のおすすめ本/入門書7|ことばのおもしろ事典

世の中では、さまざまな形で言葉が活用されています。例えば、アナグラム、回文、オノマトペ、キャッチコピーなどなど。本書では、こうした身近な言葉を取りあげながら、言語/ことばのおもしろさを解説しています。また、第2部、第3部に入ると専門的な言語学の解説もあるので、1冊で初級~中級程度の知識まで学びたい人におすすめです。

言語学のおすすめ本/入門書8|言語学への開かれた扉

言語調査や音韻論からはじまり、言語学の各分野を7,8ページにまとめて紹介している本書。各分野で読んでおくべき参考文献も載せているので、ブックガイドとしても使えます。

後半には言語研究者たちのヒストリーが4ページづつ載っているので、ミニ言語研究者事典としても使えます。私は、本書のように1冊でその分野を概観できる本が好きなので、まずは包括的に各分野と先行研究者を知りたいという方におすすめです。

言語学のおすすめ本/入門書9|言語学の散歩

『言語学への開かれた扉』と同じ、千野栄一先生の入門書。

具体的な例を多数示しながら、類型論や比較言語学、日本語系統論など興味深い分野についても解説している本書。

例えば「男性名詞や女性名詞はなぜあるのか?」「本当のバイリンガルはいるのか?」などの具体的な問いに、言語学の知見から答えを与えてくれます。

言語学のおすすめ本/入門書10|よくわかる言語学入門

「よくわかる」と書いてありますが、中身は中級レベル。入門書を1冊読んだ上で、さらに大学の授業のような知も身につけたいという方におすすめ。受験参考書を彷彿とさせる展開になっています。

言語学の幅広い分野を扱っているので、用語の整理や基本的な知識の勉強には最適。ただ少し年代が古いのと、内容に偏りがあるので、目次をみて自身が興味関心ある分野が扱われているか確かめてから買うといいかもしれません。

言語学のおすすめ本/入門書11|思考と意味の取扱いガイド

本書は、言語学者レイ・ジャッケンドフの翻訳本。哲学や心理学などの領域とも関連する認知科学の議論を長年リードしてきた著者が、はじめて一般読者向けに書いた入門書です。

全体的にゆるい雰囲気で進んでいき、イラストも多数入っているので、日本に留まらず世界の言語学では何がトピックとして研究され、言語学のおもしろさはどこにあるのかが解説されています。

言語学のおすすめ本/入門書12|言語の基盤―脳・意味・文法・進化

ここまで紹介してきた本から一気にレベルアップした1冊をご紹介します。言語学者のジャッケンドフ・レイによる本書は、21世紀期の言語学のはじまりと言っても過言ではない名著。入門書を読んで言語学の概要をつかんだら、挑戦してみてもらいたい1冊です。

伝統的な生成文法では統語論だけが生成的だとと仮定していますが、ジャッケンドフは本書で、音韻論、統語論、意味論が同様に生成的だといいます。そして、生成的な各部門はたがいにインターフェース部門を介してコミュニケーションをとり、語彙項目がそのインターフェースの一部として重要な役割を果たすと論じるのです。

言語学のおすすめ本/入門書13|エコラリアス―言語の忘却について

言語学というよりも言語思想系の本ですが、2018年に翻訳版が出たダニエル・ヘラー=ローゼンの『エコラリアス―言語の忘却について』は、ぜひとも読んでおきたい1冊。あまり深く中身については語りませんが、「紀伊國屋じんぶん大賞2019」で、言語系の本で珍しく第9位に輝きました。

言語学のおすすめ本/入門書14|スナックの言語学―距離感の調節

言語学の中でも、社会学などに近い言語学の本をご紹介。近年、出版された『スナックの言語学』は入門書ではありませんが、言語学のおもしろさを学べるという意味ではおすすめの1冊。

カウンター越しの接客が原則となるスナックにおいて、人びとがどのような言語コミュニケーションの方法で「接客者」と「客」としての良好かつ適切な関係を構築しているのか、また、それぞれの意図がどのような言語行動に反映されているのかを明らかにしていいます。

最後に-隣接分野もあわせて学ぶことで言語学の学びをさらに深堀り-

言語学 おすすめ 本 入門書

本記事では、下の学を学びたい人におすすめの本を紹介してきました。学問分野は、独立して存在するのではなく、常に隣接分野と影響しあいながら発展するものです。

以下の記事では、言語学と相互に影響を与え合っている社会学や民俗学、人類学などの入門書やおすすめ本を紹介しています。興味関心ある方は、ぜひあわせて読んでみてください!

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